糸的にいとをかし

内向型大学生の糸が執筆するブログです。「いとをかし」つまり僕が個人的に面白いとか興味深いと思ったことを気ままに投稿します。

【サッカー】奇人率いるリーズとカルバン・フィリップスという男【プレミアリーグ20-21】

 いよいよ開幕したプレミアリーグ。個人的には日本人を応援してしまうので、リヴァプールに頑張ってほしいなというところだが、昨シーズン王者はいきなり面白い相手と戦うこととなった。

 マルセロ・ビエルサ。サッカー通なら1度は聞いたことのある名前。ピッチサイドにしゃがみ込む姿が印象的なアルゼンチン人監督である。僕がはじめてビエルサの名を知ったのは「夕空のクライフイズム」という漫画だった。そのため名前は知っていても、その手腕は未知の領域にあった。

 

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 そのビエルサ率いるリーズがチャンピオンシップから昇格を決め、プレミアの舞台に登場することになっていたのでワクワクしていたのだが、まさかいきなり王者とやり合うとは、楽しみ過ぎる。

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リーズの基本戦術

  リヴァプールがいつもの4-3-3なのに対して、リーズは4-1-4-1という布陣。

 そしてリーズは基本マンマークで守備をする。どこでもついて行く、まさにデート状態。リヴァプールの高い位置を取る両SBにもサイドアタッカーがついていた。よって、リヴァプールはお得意のサイドチェンジができなくなり、窮屈な攻撃になっている印象だった。

 一方のリーズの攻撃は、サイドが起点になることが多く、WG・SB・CHFで崩し、CFと絡んでいくと言うのが狙いか。チャンスになるときは上手く数的優位な状況を作れていたように思う。シンプルだが、アンカー脇をつきやすい攻撃だった。

カルバン・フィリップスの役割

 さて、このマンマーク戦術において1人フリーマンを置くことはよくあることだが、それを任されたのは、アンカーの23「カルバン・フィリップス」だ。

 彼はプレミアリーグの経験がなかったにも関わらず、先のイングランド代表に招集され、試合にも出た珍しい選手である。

 彼は撤退守備時、フリーマンとして振る舞う。中央はもちろん、サイドのカバーまで行っていた。基本的にペナルティーエリア内への進入を拒むブロック的な役割。他の選手がデートをしていると例えるなら、23番はさながらナンパ師である。フリーの女の子に「ヘイヘイ、どこ行くの?てかラインやってる?」とついて行き、ウザがられ、離れていく(ここまでセット)。深追いはしない。絶妙な牽制だ。

 アンカーを配置するフォーメーションはそのアンカーの両脇が狙われることが多いが、ベースがマンツーマンディフェンスであるが故、その心配はそこまで大きくはない。だから動き回れている。

 CBとの連携に関して、フィルミーノの受け渡しはかなりスムーズであった。一定の決まりがあった上での受け渡しだろう。CBが試合開始してしばらくは、相手のスピード感について行けていない印象があった(実際PKになった)が、試合が進むにつれて安定感が増し、大きく崩されることはなかったと思う。CB2人とのトライアングルはかなり固い。これからも他クラブが苦戦するような気がする。

 攻撃になるとサイドへのボール供給が彼の役割だ。実際、1点目の同点弾は若干スーパーゴールではあったが彼のロングボールがアシストとなった。あのような、斜め方向へのパスがカギだ。ビルドアップ時、カルバン・フィリップスはリバプールのWGとほぼ平行の位置で受ける。そこから、サイドへ斜めのパスを出すと相手WGは走って戻る必要がある。それよりも前に攻撃のスイッチがもう一段階入るようなパスを入れてしまおうという算段だ。

最後に

 試合結果は4-3でリバプールが勝ちきった。リバプールの得点は全てセットプレー関連のものだったが、それできちんと勝つのだからチャンピオンチームなのだろう。自力の差というやつか。しかし、内容的にはエキサイティングなものだった。正直、ここまでリーズが健闘するとは思わなかったし、ワクワクさせられた。

 リーズの試合を見るのははじめてだったので、正しい見方ができたかわからないところだ。チームの戦術は1試合だけでは見抜けないことの方が圧倒的に多い。これからもちょくちょく追っていきたいチームだ(でも日本人選手を優先的に見てしまうのだろう…)。

 こういったサッカーの戦評というものをはじめて書いたが、全く要領がつかめていない。これからも少しずつ書いて行ければと思うので、下手な分析と文章はしばらく許していただきたい。